
2019年12月8日 愛媛県内小町
朝の冷え込みから路面に若干の霜が現われ、前日試走時とはまた違った朝からのレースコンディション。
スタートラインの”重要な”役を担った三船さんのコース確認から会場の撮影を開始した。

U17、U15
新設のカテゴリーではあるものの、この年齢層で上位は例年ProRide。
この日も柚木がホールショットからの独走で優勝。

女子U17、U15は日吉(LimitedTeam846まるいち)と大蔵(松山城南高校)が終始バトル。
カテゴリーは違うとはいえ、全く気の抜けない戦いは大蔵が先行しゴールへ。
オープニングレースから熱い幕開け。

女子ジュニアスタートライン。
マキノでは終盤までエリート、U23を置いての独走だった渡部
(駒澤大学高等学校)と石田(北桑田高校)の勝負。
スタートのミスも許されないマッチレースの緊張感だ。

マキノを優勝で飾り、野辺山は試験で不参戦の鈴木来人(ボンシャンス)。有力候補の村上、松本を相手にどこまで行けるのか?
松本(TEAM SCOTT JAPAN)が先行し、付き位置で村上(松山工業高校)。村上が松本の様子を見るような動きで進んでいく。野辺山では余裕の勝利を飾っている村上だけに、この内子でもマージンを持っている様子だ。
最終の壁折り返しからの階段を抜け、ホームストレートに現われた二人はスプリントに突入。
下ハンを素早く持ち、スプリントに入った村上が競り勝ってフィニッシュラインを通過した。
女子ジュニアは時折争いが見られたものの、渡部がリード。マキノでは圧倒的な強さを見せていた渡部がそのまま優勝した。

フィニッシュ後、壁にうなだれる鈴木(ボンシャンス)。
昨季は日本ジュニア代表として世界選手権を走りこの大会への思いは強かったが、序盤から先行した二人に離され、勝つことができなかった。

弟のスプリント勝ちで終ったジュニアを見届け、U23のレースが始まる。
地元で昨年のU23カテゴリー、ユキノマキノを獲った村上功太郎(松山大学)と2017年野辺山でU23タイトル獲得の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)の二人に積田(SNEL)と堀川(NEBcycling)らがスタートラインに並んだ。
スタートで出遅れた村上、スタートから力強い走りで独走に持ち込んでいった織田。
懸命に追う村上、自分のペースを作りリードしたままの織田。
レース後、「今日は僕の日じゃなかった」と語った村上。
自分の日を掴んだ織田。
U23全日本選手権タイトルは織田が獲得した。

午前中の競技が終わり、昼の試走を挟んでの女子エリート。
ロードシーズン、フェミニンツアータイトルを獲りマキノでの優勝と好調さが伺える唐見(弱虫ペダルサイクリングチーム)、01-02シーズンと02-03シーズンに行われた全日本選手権の王者だ。
今井不在の内子全日本で、松本(TEAM SCOTT JAPAN)、赤松(SIMWORKS)と並んでギャラリーからも優勝候補として挙げられていた。

昨季から台頭し、今季はメジャーレースでの表彰台を連続して獲得していた赤松。
スタートでミスをしたものの、ディフェンディングとの松本に終始プレッシャーをかけ続けていた走りで2位に入った。
代表選考はまだだが、非常に珍しい(マスターの筧五郎選手は別として、鈴木雷太以来か?)東海からの代表で世界選手権を経験、世間へアピールして欲しい選手だ。
マキノ、野辺山の2つを見れる状態では無い走りで終えた松本だったが、ここ一番の全日本選手権にはしっかりと照準を合わせ臨み、2大会連続の優勝を飾った。
壁坂を乗車で越えてはいたものの、他の区間の処理が速くまとまっていたため、総合的に速く周回していた。

戦いを終えた唐見に労いと激励の声をかけた三船さん。
一つの時代を作り上げ、次の世代を育て引っ張りながらも、
自身が突き進んでいく二人のツーショットだ。

シマノレーシング横山航太。
優勝候補に挙げられるが、ロードシーズン終了から全日本選手権への期間が短すぎた。

山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)
念願のシクロクロスタイトル獲得に向け飯山全日本以来の参戦。
前日試走を見る限り、準備万端、モチベーション万全の前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
野辺山で一時トップに出て会場を沸かせた竹之内悠(東洋フレーム)。小坂(宇都宮ブリッツェン)と沢田(チームブリヂストンサイクリング)、山本の5人でパックとなりレースは進んだ。
途中、沢田がパンクで離脱。後方で展開していた山本も遅れる。
全日本選手権での経験が豊富な竹之内と、磐石の前田の二人が先行。小坂は遅れる形で最終週の階段を上がった。
菅生、飯山と苦しい戦いながらも、勝利をものにした全日本選手権を経験している竹之内。
この二つはいずれも三船さんの監修したコースだ。
そして、今年再び三船さん監修のコースに立った。
関西をはじめ、竹之内のタイトル奪還に期待する声が多く、ここ数年の中ではコンディションも良く見える。1周目の壁坂にトップで入ってきた時もギャラリーから歓声があがる。
そして、終盤になっても落ちる事無く、最後のストレートに入ってきた。
フィニッシュラインまでは約200m。
ワールドカップをはじめ、ヨーロッパのレースでよく見られる最後の舗装ストレートだ。
この舗装のただ単なるストレートに見えるところに、ヨーロッパで走ってきた三船さんの一つのポイントが含まれていた。
スプリントに沸く会場。
昨年の野辺山でのスプリント勝利を彷彿させるフィニッシュラインを前に、前田が高々と両手を挙げた。
2大会連続の優勝。
優勝候補が片手では足りない2019年の全日本選手権。
前田公平がスプリントでの勝利を掴んだ。
